「働きたい」を支える力:職業リハビリテーションの現場から学ぶ

作業療法士の仕事のひとつに、重い病気や障害を抱える方々の“働きたい”という思いを支援し、雇用する側と協力して働く環境をデザインする職業リハビリテーションがあります。

現在、3年生は鹿児島県内で職業リハビリテーションの第一線で活躍されている一般社団法人ゴシキワークの作業療法士の方々とご利用者様をお迎えし、就労支援の実際を学ぶ授業を受けています。この授業では、ゴシキワークで実施されているプログラムのひとつ“ナビゲーションシート”を学生自身も作成しました。このシートは、自分自身を分析し、就職活動時などに活用できるものです。また、現在、ゴシキワークへ実習に参加している学生もおり、現場での具体的な支援方法や利用者との関わり方を学ぶ機会を得ています。

授業の中で、学生たちはまず個人で自分の得意なことや苦手なことを分析し、それに対する解決方法や周囲への要望を考えました。その後、グループでナビゲーションシートを共有し合い、友人から新しい視点やアドバイスを受けました。

共有活動が終わった後、学生たちからは次のような感想が寄せられました。

  • 自分のことを伝えるのは恥ずかしかったが、改めて自分を見つめ直す良い機会だった。
  • 普段一緒に過ごしている友だちの意外な一面を知ることができた。
  • グループ活動中に、自分の無意識の苦手な部分を友だちに指摘され、その瞬間に“これが自分の課題なんだ”と気づくことができた。

また、アルバイト先で障害を抱える方と一緒に働いている学生もおり、その学生は次のように話しました。
“サポートが必要な場面もあるけれど、その方はとても朗らかで、職場にいるだけで明るい雰囲気になります。逆に、その方がいないと寂しいと感じます。”

さらに、ご利用者様も授業に参加し、学生自身の困りごとを共有しながらアドバイスを行ってくださいました。ご利用者様からは“働きたい”という気持ちや原動力、時折直面する悩みについてもお話をいただき、学生たちも共感する部分が多くありました。

授業の最後には、担当の先生から次の問いかけがありました。
“皆さんにとって働く理由は何でしょうか?そして、障害を抱える方にとっての働く理由やその意味と何が異なるのでしょうか?”