こんにちは。作業療法学科の鎌田です。
今回は、本学の精神科作業療法の授業で実施している「初回面接(インテーク面接)」の学びについてご紹介します。
精神科作業療法では、強い不安やストレス、気分の落ち込みなど、こころの不調を抱える方々に対し、作業療法士が支援を行います。その中でも「初回面接」は、利用者の方と作業療法士が初めてお会いし、お話をする大切な場面です。この面接では、まず安心して話せる関係づくり(信頼関係の構築)を目指します。

授業では、学生同士がペアになり、自己紹介、面接の目的の説明、作業療法の概要紹介などを行ったあとに、生活上の困りごとや悩みを想定したロールプレイ(役割練習)を通して、面接の実践的な練習を行います。
特に重視しているのは、「傾聴(相手の話を丁寧に聴く)」「共感(相手の気持ちを理解し寄りそう)」「是認(相手の存在や考え方を否定せず受け入れる)」といった、人と関わるうえでの基本的な姿勢です。これらの姿勢を身につけるために、演習や振り返りを繰り返しながら理解を深めています。
実際に作業療法士役を体験した学生からは、「作業療法をうまく説明することの難しさ」や「相手の言葉にどう応じればよいか迷った」といった感想が寄せられました。授業を通して、教科書だけでは学べない“こころとこころのやりとり”の大切さを実感する機会となっています。
こころの病を抱える方々の支援に関心のある方、人の役に立つ医療・福祉の分野に興味のある方は、精神科作業療法にも、少し関心をもっていただけたらうれしいです。