「働きたい」を支える力:職業リハビリテーションの現場から学ぶ

作業療法士の仕事のひとつに、重い病気や障害を抱える方々の“働きたい”という思いを支援し、雇用する側と協力して働く環境をデザインする職業リハビリテーションがあります。

現在、3年生は鹿児島県内で職業リハビリテーションの第一線で活躍されている一般社団法人ゴシキワークの作業療法士の方々とご利用者様をお迎えし、就労支援の実際を学ぶ授業を受けています。この授業では、ゴシキワークで実施されているプログラムのひとつ“ナビゲーションシート”を学生自身も作成しました。このシートは、自分自身を分析し、就職活動時などに活用できるものです。また、現在、ゴシキワークへ実習に参加している学生もおり、現場での具体的な支援方法や利用者との関わり方を学ぶ機会を得ています。

授業の中で、学生たちはまず個人で自分の得意なことや苦手なことを分析し、それに対する解決方法や周囲への要望を考えました。その後、グループでナビゲーションシートを共有し合い、友人から新しい視点やアドバイスを受けました。

共有活動が終わった後、学生たちからは次のような感想が寄せられました。

  • 自分のことを伝えるのは恥ずかしかったが、改めて自分を見つめ直す良い機会だった。
  • 普段一緒に過ごしている友だちの意外な一面を知ることができた。
  • グループ活動中に、自分の無意識の苦手な部分を友だちに指摘され、その瞬間に“これが自分の課題なんだ”と気づくことができた。

また、アルバイト先で障害を抱える方と一緒に働いている学生もおり、その学生は次のように話しました。
“サポートが必要な場面もあるけれど、その方はとても朗らかで、職場にいるだけで明るい雰囲気になります。逆に、その方がいないと寂しいと感じます。”

さらに、ご利用者様も授業に参加し、学生自身の困りごとを共有しながらアドバイスを行ってくださいました。ご利用者様からは“働きたい”という気持ちや原動力、時折直面する悩みについてもお話をいただき、学生たちも共感する部分が多くありました。

授業の最後には、担当の先生から次の問いかけがありました。
“皆さんにとって働く理由は何でしょうか?そして、障害を抱える方にとっての働く理由やその意味と何が異なるのでしょうか?”

 

節目の年に、未来へ

2025年は昭和100年の節目を迎えます。
私は介護予防事業を通じて、多くの人生経験豊かな方々とお会いする機会に恵まれています。「昭和○年生まれ」というお話を伺うたびに、私も昭和の時代を懐かしく思い出すとともに、平成、令和と時代が移り変わる中で、年号をまたいだ年齢の計算が少し複雑になったことを実感します。

さて、本校の作業療法学科も、2025年に創立30周年を迎えます。(拍手)

早速ですが、他にも記念の年を迎える楽しい出来事があるのか​​気になり、調べてみました。

なんと、本学科と同い年は「プリント倶楽部(通称プリクラ)」!
当初のシンプルな機能から、今では顔認識機能や多様な加工機能ができるまで進化しました。

想像の世界へ誘うウサギやクマが主人公のドールハウスは、40周年。(へぇ)時代の移ろいは、動物たちの洗濯方法に見られます。当初は洗濯板でしたが、今ではドラム式洗濯機へ…他にも、2025年にメモリアルを迎える商品が沢山ありましたよ。

このような変化の中で、私たちの生活様式や価値観も大きく変わってきました。高齢化社会の進展や、情報化社会の到来は、人々の健康に対する意識を高め、多様なニーズを生み出しています。作業療法士は、そうした変化に対応し、一人ひとりの心身の状態に合わせた支援を提供することが求められています。

 

創立30周年を迎える本学科では、今後も、社会の変化に対応できる、そして、人々の生活を豊かにできるような作業療法士を育成していきます。そのためには、従来の知識や技術に加え、変化を恐れずに新しいことに挑戦する姿勢、そして、人々の心に寄り添う温かい心を育むことが大切だと考えています。

 

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

スタートザキャリア♪~作業療法学科編~

みなさんこんにちは。作業療法学科の原田です。遅くなりましたが先週土曜日に、鹿児島キャリアデザイン専門学校マルチホールで合同イベントが行われたことを報告しますね(‘ω’)ノ

※写真は開講式前の様子。このあと席がすべて埋まるほど来場しています

医技専×キャリデザの学科から1日のイベント内で3つ体験できる職業体験イベントです(^^)/ 参加者は小学生から高校生まで幅広くたくさんの方が来場されました。作業療法学科でも、申込は20名を超えていたのですが、残念ながらインフルエンザなどの体調不良で欠席者が出たため、総計15名の参加でした(*’▽’)

この日のために作業活動の企画から買出し、準備までを担ってくれた在校生たちです(‘◇’)ゞ はじめましてのみなさんの緊張を解きほぐすアイスブレイクに始まり、先日の「ぷらむ活動⑤」でも紹介した作業活動を実践(クリスマスツリー飾り) 大いに盛り上がりました♪

そして脳トレでことわざカルタにも挑戦(; ・`д・´) 参加者の心の距離もグッと近づいたように感じます

最後にスノードーム作り(^^♪ 自分だけのオリジナル作品✨

いかがでしたか?(^.^) 50分間という短い中での体験でしたが、参加前と後で、自分の中でなにか変化を感じられたでしょうか? 作業がもたらす身体とこころへの働きかけに、少しでも興味が持てましたら幸いです。もっと作業療法について知りたい、学びたいと感じられましたらぜひオープンキャンパスへの参加をお待ちしております(^_-)-☆ このブログでこのイベントを知った方は、また来年も開催されますので気軽に参加くださいませ。さまざまな職種を知る良い機会かと思います。

ぷらむ活動⑤

みなさんこんにちは(^^)/ 作業療法学科の原田です。12月らしい厳しい寒さが続いてますね💦風邪ひかないように気を付けましょう

さて、今年度最後のぷらむ活動が行われました♪ 各グループが全員集い、クリスマス会を兼ねて一年の締めくくりです(^^♪

準備の模様です。AM通常講義をして、昼休みのわずかな時間でテキパキと準備完了★ チームワークも素晴らしい( ;∀;)

内容は「レクリェーション療法」で学んだ作業を参加者へ実践することができました。とてもスムーズに展開し、主軸以外の方々のサポートも迅速丁寧で盛り上がりも見せることができました! なによりみなさん楽しそうですね(^.^)

プレゼント交換も大いに盛り上がり、歓談の場ではたくさんの笑顔が見られました。

歓談中に参加者の手品披露や、切り絵アートをお手伝いする場面も…(‘◇’)ゞ

実習や試験、課題提出などもある中、準備していただいた3年生、ありがとうございましたm(__)m 実習を経て、成長した姿を参加者の皆様へお見せすることができたのではないでしょうか(*’▽’) とても頼もしかったです。

本校ならではの取り組みが学生の成長を後押ししてくれます。次は現2年生が出番ですね。2025年も良い年になることをお祈りしたいと思います(^_-)-☆

食事つくりと多職種連携:身体分野の作業療法

今日の「食事を作る活動」では、身体分野の先生(本校卒業生)をお招きし、講義を行って頂きました。

授業では、身体に不自由のある方を想定した調理活動を想定し、学生自身が実際に体験を通して学びました。
調理活動の中で、先生が毎日から工夫されている点や、動作を分析する際の視点について教えて頂きました。

ふきんや食器の使い方の工夫で、調理のしやすさや安全性が向上することも経験しました。

日常的な道具が、調理活動を支える重要な要素になることを深く理解できる学び時間になりましたよ。
授業後には、「将来、患者様の周囲にある道具を活用して、調理活動がしやすい提案ができる作業療法士になりたい!」といった力強い感想も聞けてました。

食事つくりと多職種連携:精神分野の作業療法

1年生はこれまで「食べること」を学んできましたが、今回は第2部として「食事を作る活動」にステップアップしました。本日は、精神分野で活躍されている作業療法士の先生をお招きし、多職種連携について学ぶ授業が行われました。

授業では、院内で実施されている作業療法活動の一部を体験しながら、リスク管理を含む多職種間での協力や視点の共有について考えました。
写真は、レシピ作りを通してみんなでリスク管理を考える様子です。

「家庭の隠し味」のアイデアや、一人暮らしを始めた学生ならではの工夫など、新鮮な視点が飛び交い、「へぇ~」とうなる場面が多々見られました。
学生たちは楽しみながら学びを深めた様子でした。

作業・理学・言語の連携を描く:合同授業の最終日

本日、言語聴覚療法学科との合同授業が最終日を迎えました。
最終日の恒例となっているポスター制作では、「3職種が揃うことで生まれるメリット」をテーマに活動を行いました。今年はどんな力作が揃ったのでしょうか?

学生たちは、VR動画等を視聴しながら、それぞれの職種の役割や特徴について意見を交わしました。その後、作業療法、理学療法、言語聴覚療法の学生が1つのグループとなり、イラストや言葉を使って、お互いの職業をどのように表現するか試行錯誤。グループ内での議論も活発に行われ、各チームならではの視点やアイデアが生まれていました。

完成したポスターは学生同士で共有し、「いいね!」と思う作品に投票しました。
1位の作品

2位

3位は2枚


各グループが制作したポスターには、チームの個性や協働の成果が見事に反映されており、多職種連携の魅力が存分に伝わる内容となっていましたよ。

広がる多職種連携の可能性:1年生の授業より

今回、多職種連携の授業には、言語聴覚療法学科が加わり、理学療法学科、作業療法学科と合わせた3学科が合同で授業を行いました。各学科から1つのチームを組み、与えられた課題に対してチーム全員で意見を出し合い、答えを導く活動に取り組みました。

チーム編成は、募集定員の関係から理学療法学科の学生が多めとなりましたが、話しやすい雰囲気をつくり、積極的に話題を振るなど、活発な意見交換が行われていましたよ。

ここで、作業療法学生からの授業感想をご紹介します。

  • 「話し合いの重要性を実感しました」
    人によって意見が違うので、話し合いの大切さを感じました。将来、作業療法士として現場で他職種と連携しながら患者さんを支えるためにも、今回のような練習が役立つと思います。
  • 「新しい出会いと学び」
    グループに女性が一人だけでしたが、積極的に話を振ってもらえたおかげで安心して授業に臨めました。意見が分かれる場面もあり、頭で理解していても言葉にできないときがありましたが、他学科のメンバーと交流し、意見を出し合いながら一つの結論に至れたのは貴重な経験でした。

他学科との交流を通じて他者を思いやる心が育まれることは、将来、医療の現場等で役立つ大切な力です。
これからも対象者を中心に据えた連携力を、4年間を通してしっかりと身につけていきます。

次回の授業では、VRを活用した多職種連携を体験する予定です。
また、その様子もお伝えしますので、ぜひお楽しみに!

 

整容動作のリハビリテーション:整容実習での成長と学び

学生たちは全2回の整容実習に取り組みました。
実習の流れとしては、1回目の実習→振り返り→最終実習となっています。

最初の実習を終えた学生たちからは、「利用者様に合わせて力加減を調整できた」「目を見て話すことができた」と、相手への配慮ができたことが語られました。一方で、「緊張で手順を忘れてしまった」「思った以上にうまくできなかった」「自分から話しかけるのが難しかった」という悔しさも見られました。このような経験を踏まえ、前田先生から前向きなアドバイスを受けて臨んだ最終回の実習では、学生たちの成長がさらに際立ちました。

例えば、相手の聞く力に合わせて声の大きさを変えたり、分からない鹿児島弁を積極的に質問したりと、利用者様を深く理解しようとする姿勢が印象的でした。こうした経験を通じて、学生たちはコミュニケーションの重要性を再認識し、確かな自信を育んでいるように感じます。

また、1年生にとっては来年1月から始まる見学実習が初めての実習経験となります。
この見学実習では、作業療法士としての基本的な接遇マナーやふるまいを学び、次のステップへの基盤を築く場となるでしょう。コミュニケーションがカギとなる実習ですので、学生たちがこの経験を通してさらに自信をつけ、将来に役立ててくれることを願っています。

地域と連携する職業リハビリテーション:鹿児島障害者職業センター見学体験記

私たち作業療法士の仕事のひとつに「職業リハビリテーション」があります。
職業リハビリテーションとは、障害や病気を抱えた方が就職を目指す際の困りごとや課題に対して支援を行うものです。この支援は病院や施設内だけでなく、地域でも幅広く行われています。

本日は「鹿児島障害者職業センター」へ見学に行き、現場での支援活動を学びました。
鹿児島障害者職業センターでは、利用者が安定した職業生活を送れるよう、職業準備やスキルの分析を徹底し、チームでサポートしていることが分かりました。

実際に、スキルアップを目的とした練習メニューや分析内容も体験させていただきました。
体験の中で、学生からも「練習の目的は何か」「こうした状況でどう対応するのか」などの質問が活発に出ており、その姿がとても印象的でした。





(↑ 私も蛇口の組立に挑戦!初めて蛇口を作りました。)

最後に施設の方々から、「将来、皆さんが作業療法士になり、患者様が退院する際には、ぜひ私たちと連携をしていきましょう」という期待を込めたメッセージをいただきました。
貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。